2011年12月07日

Three and Two

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1. 思いのままに
2. 恋を抱きしめよう
3. その時はじめて
4. 歴史は夜つくられる
5. 愛を止めないで
6. SAVE THE LOVE
7. 汐風のなかで
8. 愛あるところへ
9. 生まれ来る子供たちのために~「いつもいつも」

1979年リリース、1976年に正式メンバーとなったギター松尾一彦、ベース清水仁、ドラム大間ジローを加えた新生オフコースの1stアルバム。前作の「Fairway」と比較しても収録された曲はアレンジ面でかなり大きな変化を見せていて、当然5人編成のバンドとして出来上がってくる音であり、アコースティックなイメージはほとんど感じられません。基本的に5人でライブで再現可能なアレンジとしているようです。特に鈴木氏は意識的にハードな曲を書いているような印象で言い方は悪いかも知れないが多少無理がある感じすらします。対する小田氏は基本的には変わらない曲調ではありますが、ややシングルヒットを意識したかのような、ややコマーシャルな感じの曲を書いている印象です。お気づきの方も多いとは思いますが、5人になりメジャーとなってからのオフコースについては米国の某「鷲s」なるバンドを意識してるとか、パクってるとか誹謗中傷的コメントを発する方もいるようです。しかしながら類稀なる声を持つ小田氏と緻密なアレンジを得意とする鈴木氏を中心としたオフコースというバンドの1stアルバムであるこの作品にはすばらしい曲たちが詰め込まれていることを是非確認していただきたい。

1. 思いのままに 出だしの4声のアカペラ・コーラスが印象的な小田氏の作。アルバムでは小田氏と鈴木氏二人で唄っているようです。アカペラに途中から入ってくるYamaha CPの少しコーラスのかかった音がもうたまりません。サビのメインボーカルとユニゾンのキーボードはProphet 5かと思われますが、ライブでは鈴木氏がギターで弾いていますね。珍しくキーボードソロが入っていてフェイドアウトして終わりますが、ライブアルバムではそこから鈴木氏の長いギターソロが聴くことができます。

2. 恋を抱きしめよう 鈴木氏作。こんな曲は今までオフコースにあったでしょうかね?この曲みたいなコマーシャルな感じの曲がバンバン書ければ5人組オフーコースはもっと長く続いたのではないでしょうかね?基本ライブで再現可能なアレンジと書きましたが、この曲は技術的にも難しくて、ギター弾きながらリードボーカルとったりコーラスとったりするのは大変すね。ギターソロも本当によくできています、鈴木氏らしい練りに練ったメロディが堪能できます。

3. その時はじめて 小田氏作。わかりやすいメロディ、単純なアレンジ、ギターソロも秀逸、名曲です。

4. 歴史は夜つくられる 鈴木氏作。小田氏の書かない世界を敢えて唄います。ちょっと中途半端な印象が否めません。曲もなんとなく尻切れでフェイドアウトして終わってしまいます。バンドメンバーも「どうするかな〜」ってなとこだったかも知れませんね(笑)。

5. 愛を止めないで 1stシングルですね。歌詞もメロディもまさにシングル向きじゃありませんか。ギターの音がなんかキラキラしてるんですよね、しつこいくらいに。ツインリードが気持ちいいです。ギターソロから転調して最後のサビは普通のキーの男性では歌えない高さです。余談ですがシングルB面の鈴木氏作「美しい思い出に」は名曲ですがオムニバスアルバムにしか収録されていません。良い曲なのにもったいない。

6. SAVE THE LOVE 鈴木氏作。この曲も今までにはないオフコースの曲ですね。イントロはギターリフで始まります。しかもディストーションかかってます(笑)。メロディもわかりやすいし、12弦ギターのアルペジオも美しいんですが、やはりこのアルバムのバージョンはなんとなく物足りない感じ。ライブアルバムに収められているバージョンは松尾氏の鬼気迫るコーラスがあり、ギターももっとワイルドな感じで僕はそちらのほうが好きです。

7. 汐風のなかで 鈴木氏作。Yamaha CPのイントロ...美しい。こういった曲調のほうがやはり安心して聴いていられます。アコギに続いて、珍しくスライドギターのソロを聴くことができます。名曲ですよ。

8. 愛あるところへ 小田氏作。イントロはYamaha CPとProphet 5ですね。この曲に限ったことではないのですが歪んだギターが多用されているせいか、静かだったかと思うとグイグイとハードな感じにもって行きます。こういったアレンジはバンドならでのアイデアのように思います。この曲も良い曲だ。

9. 生まれ来る子供たちのために~「いつもいつも」
小田氏作。イントロ、重厚なシンセストリングスと対峙するようなRhodesが強烈です。メロディもコーラスも本当に美しいです。松尾氏のハーモニカソロが印象的です。最後に「いつもいつも」という曲の田園コロシアムでのライブが入っています。アカペラです、誰がどのパートを歌っているのかさっぱりわかりません。

「愛を止めないで」、武道館コンサートバージョンです


「思いのままに」のロングバージョンのギターソロが聴けます、画像はありませんが...




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2011年11月30日

ケダモノの嵐

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1. 命果てるまで
2. フーガ
3. ロック幸せ
4. ケダモノの嵐
5. エレジー
6. 自転車泥棒
7. 富士
8. リンジューマーチ
9. スライム・プリーズ
10. CSA
11. いかんともしがたい男
12. 夜明け前
13. 働く男
14. スターな男

邦楽第二弾は前回のオフ・コースからがらっと変わりまして、Unicornの「ケダモノの嵐」。1993年に一度解散しましたが、2009年にめでたく活動再開しました。

Unicornを初めて知ったのは「デーゲーム」のビデオでした。おそらく1989年頃だと思います。オリジナルアルバムでは民生氏が歌ってますがビデオでは今は亡き坂上二郎さんが何故か唄っています。既に「服部」、「大迷惑」など発表しており、たぶん巷ではブレイクはしていたんだと思いますが、当時の私は邦楽にはあまり目を向けていなかったので、「ふーん、変なビデオ?」くらいの感想しか持たず、Unicornはしばらくの間は日本のその他大勢のバンドの中のひとつに過ぎませんでした。ところが当時フジテレビで放送されていた「夢で逢えたら」のオープニングで「働く男」を聴いたとたんにはまってしまいました。期待を裏切るコード進行とアレンジ、歌詞のユニークさ、「日本にこんなポップなバンドがあるとは」と感激し、速攻でこの「働く男」の収録されているこの「ケダモノの嵐」を購入しました。アルバムを聴いて、さらに驚き、中心になっているのは奥田民生だが、他のメンバーも全員、作曲もボーカルもしているではないですか、そして収録されている曲もまたすばらしく、「そういうのありなの?」ということを「ありでしょう!」という感じでやってしまってくれています、繰り返しになりますが非常にポップなのです!


1. 命果てるまで
曲タイトルにだまされてはいけません、陳腐な青春応援歌などではありませんオープニングからウクレレです。「桃屋敷」=「ラブホ」の唄です。奥田氏の作ですね。私もウクレレを購入した際には練習いたしました。人前では演奏できませんが(笑)。

2. フーガ
ベース、Ebi氏の作です。ボーカルもEbi氏ですが、Bメロはキーボードの阿部氏が歌っています。Ebi詩はダークで美しい風景が浮かんでくる感じの詩、曲調が比較的多い印象ですが、この曲は割りと明るい雰囲気ですね、歌詞の内容はむしろブラックな感じですけどね。

3. ロック幸せ
ドラマー川西氏作。川西氏はかなり作詞家としても非凡な才能をお持ちのようで、アルバムに提供される曲数こそ少ないですが、内容はウィットにとんだユニークなものが多いです。この曲ではギターの手島氏とユニゾンで唄っています(ステレオ、左が川西氏、右が手島氏)。奥田氏からはよく「ちょっと音痴」と言われているようです。

4. ケダモノの嵐
アルバムタイトル曲ですね、詞は川西氏、曲が奥田氏。ドラムが完全に右チャンネルに振られていています。ベースも右より、ボーカルとリードギター、アコギなどは左寄りに振られています。ビートルなどはチャンネル数に制限があったため普通にやっていたことですが、こうして改めて聴くと新鮮な感じがするから不思議です。ドラムもエコーがほとんどかかっていないいわゆるデッドな感じがいいですね。

5. エレジー
これも奥田氏作。途中一節だけ「映画が好きなの」と女性ボーカルが聞こえますが、渡辺真理奈さんだそうです。なんとも煮え切らない感じの、下心丸出し男の唄といったところでしょうか?

6. 自転車泥棒
手島氏作。再結成後のアルバムではギターリフ中心のハードな曲が多いようですが、この曲はメロディーも秀逸、歌詞も哀愁を帯びた感じで非常に良い曲です。ボーカルは阿部氏、コーラスが奥田氏。名曲ですね。

7. 富士
なんでしょうねこのタイトル。「富士」ですからね。富士山にでも登った時に作ったんでしょうか?キーボーディストらしいメロディアスな曲です。ボーカルも阿部氏。

8. リンジューマーチ
奥田氏作。いかにもUnicorn、いかにも民生氏という感じの曲。ギターリフにブラスがかぶってファンキーな感じになってますが、「(自分の葬式に)憧れの佐久間が来てくれた」や「君に逢いたくなれば いつでもすぐに行けるよ 僕の姿は君に見えないから さらに便利」なんて歌詞にしませんよね、普通は。

9. スライム・プリーズ
Ebi氏作。他のメンバーに感化されたか、歌詞もアレンジもボーカルスタイルもチャレンジした感じになっています。曲出だしは「ウルトラマン」?

10. CSA
阿部氏作。当時所属していた事務所の社歌だそうですが、「つわものどもに愛されて15年」に続き、単に住所と電話番号をわめいているだけです(笑)。活動再開してからは事務所がMSAになったそうで、ライブでは住所と電話番号も変えて唄っています(笑)。

11. いかんともしがたい男
奥田氏作。タイトル通り、「いかんともしがたい男」の唄です。左チャンネルからずーっと聞こえてくる1から9までのカウントはいったいなんなんでしょう? 不気味です。

12. 夜明け前
阿部氏作。阿部氏はふり幅が大きすぎて真面目に作ってるんだか、どうか良くわかりません。3分ない曲なんですが1コーラスはバックなしです。これもキーボディストらしい美しいメロディです。詩も美しいです。

13. 働く男
奥田氏作。サラリーマンを題材にした詩が多いように思いますが、これもそうですね。しかしすごいアレンジですね、Aメロのギターのリフとリズム、Bメロ行く前の間奏、サビまえのブラスの入れ方、サビの疾走感、ローズの使い方なんか上手いですよね。全てにおいて期待を裏切るアレンジが気持ちよくて仕方ない曲です。XTCなどが好きな方には堪らないはずの1曲。

14. スターな男
作詞阿部氏、作曲奥田氏。軽快なロック調の曲ですが、やはり一筋縄ではいきません、Bメロ、サビ(と言っていいのか?)への転調、展開には目を(耳を?)見張るものがあります。最後のギターソロ、「やけくそだ、オレ」は笑えます。

「スターな男」です。当時の懐かしい映像をお楽しみください。歌詞が変えてあるので、あとから唄ってミックスしなおしたようです。アルバムとはかなり感じが違いますね。



そしてこちらが「働く男」のPVです。



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2011年11月25日

ワインの匂い

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1. 雨の降る日に
2. 昨日への手紙
3. 眠れぬ夜
4. 倖せなんて
5. ワインの匂い
6. あれから君は
7. 憂き世に
8. 少年のように
9. 雨よ激しく
10. 愛の唄
11. 幻想
12. 老人のつぶやき

なんと邦楽アルバムレビューの記念すべき第一号はオフ・コース。「ワインの匂い」は1975年12月20日にリリースしたオフ・コース初期の最高傑作と言われる3rdアルバム。

オフ・コースを知ったのは1980年。既に5人編成となっていて「さよなら」や「愛を止めないで」がヒットしてブレイクしているときでした。当時洋楽ROCKを聴いている友人の中ではフォークやニューミュージック好きな奴ははやや冷ややかな目で見られる傾向にあり、当時は大きな声で「オフ・コースが好き」とは言えない自分がいたことを思い出します(笑)。最初にラジオで流れてきた「さよなら」を聴いたとき、小田氏のボーカルの特異なトーンに惹きつけられ。アルバムを聴いてみて、そのコーラスの美しさに魅了され。ライブアルバムを聴いて、そのEaglesのような演奏力の高さに驚かされました(ちょっと褒めすぎか?)。

実際に最初に手にしたアルバムは「Three and Two」でしたが、2人でやっていた頃のアルバムも聴いてみたくなり、購入したのがこのアルバムでした。ジャケットの2人はなんだかさえない感じだし、タイトルも収録曲の題名をそのまま持ってきただけというひねりのないものですが、中身は非常に質の高いアルバムです。

このアルバムまでの小田氏のボーカルは5人編成になってからのものとは異なり、裏声とも地声ともつかないような微妙なトーンを聴くことができます。逆にコーラスでは声を張っていたりします。

1. 雨の降る日に
降りしきる雨音の中からピアノのイントロが流れ、走り去る車の音に続き左から聞こえるピアノ、右から聞こえるローズ、ウッドベース、そして美しいコーラスアレンジ、静か過ぎる、そして美しすぎます。

2. 昨日への手紙
アコースティックギターとストリングスを中心とした演奏をバックに美しいメロディを鈴木氏が歌います。5人編成になってからの鈴木氏は敢えてこの手の曲を封印して、ギターサウンドを軸にした激しい曲調のものを手がけていたようですが、本来はこちらの方が得意なのかもしれませんね。

3. 眠れぬ夜
後年、楽曲を人に提供しないことで有名だったオフ・コースが初めて他人に歌うことを許可した曲。西城秀樹さんが歌ってましたね、完全に失敗だったように記憶してますが(笑)。レコード会社の意向もあったのでしょうが、多少無理矢理ポップス調に編曲されていますが、これが新しいオフ・コースとしての道しるべとなったようです。イントロでは名機プロフェット5の音が聞こえます。

4. 倖せなんて
トップノートになってもけして声を張り上げるようなことはありません。美しいメロディのワルツです。

5. ワインの匂い
アルバムのタイトル曲。初期の小田氏のボーカルスタイルを象徴するような曲です。サビの美しいメロディとコーラス、地声のような裏声のような微妙なトーン。

6. あれから君は
小田氏同様、鈴木氏もボーカルスタイルは変わりましたね、やはり5人編成になってからは声を張って歌うことが多くなりましたが、初期はこの曲で聴かれるように裏声と地声の微妙なところを聞かせてくれます。ビブラートも初期は控えめですね。

7. 憂き世に
アルバムの中では珍しくテンポの速い曲です。鈴木氏はやはりこの頃から小田氏とのバランスを考えて曲も提供していた感じがありますね。にしてもやはりメロディアスでよい曲です。

8. 少年のように
2分に満たない短い曲ですが、小田氏の類稀な声とオフ・コースならではのコーラスを堪能できます。

9. 雨よ激しく
ライブでも鈴木氏はコーラスでトップを担当することが多く、きれいな裏声を聞かせてくれますが、この曲でも存分に聴くことができます。歪んだギターの音がこの曲になって初めて出てきたように思いますね(笑)。アコースティックギター中心のアレンジではありますがギターソロからアレンジが結構複雑に絡み合っていて面白いです。

10. 愛の唄
ピアノとハーモニカで始まる美しい曲ですが結構テンポのある曲に仕上がっています。しかしコーラスは美しい、あくまでも「はぁ〜」とか「ふぅ〜」が基本。けして単純に「あ〜」とか「う〜」ではないのです(笑)。

11. 幻想
サビの歌詞とメロディ「あ〜一切の言葉に目をつぶって、みんな信じあえればいいのに、愛が全てじゃないにしても」が印象的で耳に残ってしまいます。

12. 老人のつぶやき
小田氏、鈴木氏のユニゾンで始まるアコースティックギターとローズとストリングスをバックにした泣きたくなるほど美しい曲です。Aメロは小田氏のソロになりますが、サビではまたユニゾンとなります。ここでも二人の裏地声が絶妙です。

画像はないのですが、当時のオンエアをチェックされたかたがアップロードされた音源が(涙)。二人がユニゾンで歌っていたり、コーラス部分が簡略化されていたり、ドラムが引っ張っていく感じがなかなかな感じです。声質のせいか鈴木氏のボーカルのほうがメインに聞こえる感じです。




posted by todd at 15:25| Comment(0) | TrackBack(0) | Off Course | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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